2008年2月18日(火)「熊本全日空ホテルニュースカイ40周年記念企画」
ニュースカイズ スプリングジャズ 
小林 桂(Vo)&野本秀一Trio featuring 谷口英治(Cl)

2006年12月25日(月)ANAホテルプレゼンツ「ホーリーナイト・ジャズライブ」
野本秀一(P)TRIO+島田恵美(Vo) ;井島正雄(B)YAS岡山(Ds)

「N.Y.レコーディング日記」

  2006年2月1日に日本を発ちました。応援をかねて九州から4名ついてきてくれました。
2月2〜3日はマンハッタンのレンタルスタジオで練習しました。ジミーさんにお会いしご挨拶とスコアを手渡しました。ニコニコとして穏やかな印象を受けました。
 
  2月4日レコーディング初日。11:00過ぎにマンハッタンを出発12:00前にニュージャージーのバンゲルダースタジオ着。スタッフ含め数人でスタジオヘ。バンゲルダーさんと助手のモーリンさんとごあいさつ。笑顔で出迎えていただきました。 ジミーさんはもういらっしゃってて、ピーターさんもそのうち到着。それぞれが準備したりウォーミングアップしたりしながら、今はリハーサルピアノだが当時のレコーディングで数々のミラクルを起こした由緒正しいスタインウェーで指慣らし。準備がだいたい整ったところで、コーヒーを飲みながらの打ち合わせ。そしていよいよ録音!
リハーサルをしながら意見交換、だいたいOKならじゃあ録ってみようかという感じで、録音ブースに入る。
 
  ワンテイク、ツーテイクでOKのもあれば4・5回取り直したのもあったが、だいたい順調に録っていくことができた。途中三人でプレイバックを聴きながら、「クール!」とか言って貰ったりすると本当にうれしいものだ。二人とも真剣にプレイバックを聴きながら「自分がダメなのでもう一回録ってもいいか?」とか、僕がちょっとした失敗を話すと「ぜんぜん気にならないよ!かっこいいからOKだよ」とか、「やっぱりこのテイクよりファーストテイクが一番良いと思う」など率直に意見交換ができて良かったと思う。ふたりとも本当にジェントルマンで協力的で真剣に録音につきあってくれて、この二人にお願いしてよかったなあと思った。特にピーターさんのブースが僕の目の前で、英語での意思疎通がジミーさんとうまくいかない時など目が合うと、ブースから出てきて僕の意図をジミーさんに伝えに動いたりしてくれて、本当に助かった。
 
  こんな終始和やかな感じで初日、二日目と休憩を挟みながら賞味4時間づつ位録音。三人でずっと顔を見合わせていると、最後には僕のつたない英語でも気持ちが伝わるようになるんだなあという気になり、言葉の壁も感じなくなった。
  バンゲルダーさんも本当にスムーズに無駄なく、そしておだやかに録音を進めていく。ヘッドホーンから聴こえるバンゲルダーさんの声は長年の落ち着きがあって、本当に自然に録音に入っていける気がした。録音の最中のプレイバックの音がもうすでにバンゲルダーサウンドになっていて、たった今録ったのに違うCDを聴いているような完成度で聴こえるのにはびっくりした!
 
  全体を通して、もちろん緊張はしたが(あたりまえ!)、でも楽しく演奏できたと思う。ただバンゲルダースタジオでの録音を経験してみて、ここで録音された歴史的な名盤を聴くたび、そのすさまじさ、エネルギー、ミュージシャンの驚くべき才能が肌身に感じられるようになった。ここでその一瞬にそれを爆発させる力は並大抵ではないし、さらにそんな天才でも調子の悪い時もあって、だからこそその瞬間を記録した名盤は本当に価値があると思う。ミキシングルームの壁に何気なくかけてあるゴールドディスクがその瞬間を僕に想像させた。自分もその力をしっかり蓄えて、もしかなうならもう一度バンゲルダースタジオに来たいと思う。
 
  二日後にミックスが終わって、翌日ひとりでバンゲルダースタジオに素材を取りに行ったのだが、ニコニコしたバンゲルダーさんが僕に手渡しする時握手しながら、「ビューティフルCD!」といってくれたのが本当にうれしくて、マンハッタンへ帰るタクシーの中でひとりでニヤニヤしていた。別れ際にうれしくて、「次も録ってください」「またおいで、待ってるよ」みたいな会話をしたのだが本当に実現したらいいなと思う・・・!

野本秀一ブログ
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